あなたの今の生活が84日後の卵子に影響する仕組み

記事監修医師フィデスレディースクリニック 
松本智恵子 院長

■資格
日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本女性医学学会認定 女性ヘルスケア専門医

女性は一生分の原始卵胞を持って生まれてきます。
思春期以降はこの原始卵胞が毎月数百から数千個発育を開始し、84日かけて成長し最終的に1個の卵子を排卵します。

卵子がどのような状態で排卵されるかは84日前のあなたの生活にかかっているのです。

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原始卵胞は生まれた時に既に持っている

女性は生まれた時に既に卵子の元となる原始卵胞を持っています。

その数は生まれる前におよそ700万個、生まれる時におよそ200万個、排卵がはじまる頃にはおよそ20〜30万個まで減り、その後も毎月数百から数千個の卵子が失われていきます。

これが意味することは、卵子は人間の身体と同じで、その人が歳をとれば同じように卵子も歳をとるということです。
卵子は老化するのです。

卵子は84日間かけてゆっくり育つ

そこで大切になるのが今ある卵胞を、どういう体調で育てて排卵するかということ。
これが卵子の質に対し、自分でできる最大限の対策になります。

時期発育状態大きさ日数
-前胞状卵胞0.15〜0.2mm70日
月経胞状卵胞2〜5mm14日
排卵成熟卵胞18〜20mm14日

体内の卵胞は、0.03mmほどのごく小さな大きさからゆっくり0.2mmほどの前胞状卵胞にまで育ちます。
この前胞状卵胞は70日かけて2〜5mmほどの胞状卵胞まで育ち、そのあと14日かけて18〜20mmの成熟卵胞まで育ち排卵されます。

この84日間の自身の体調と生活習慣が、良い卵子を育てるためにとても大切になってくるのです。

卵子の成長に必要なミトコンドリアエネルギー

ミトコンドリアはあらゆる細胞にあって、私たちが食事から摂った栄養素と酸素から細胞を動かすエネルギーATPを作りだしているちいさな器官。

卵子にも10万個ものミトコンドリアが存在し、その活動エネルギーをまかなっています。
ミトコンドリアが比較的多いとされる筋肉でも数万個ほど。

卵子にとってミトコンドリアがいかに重要かがおわかりいただけることでしょう。

小さな前胞状卵胞から84日間かけて育ち排卵するまで、そして授精して着床妊娠するまでずっとミトコンドリアが支えているのです。

今の生活が84日後の卵子に影響する

加齢によって減少する卵子は取り戻せませんが、卵子を動かすミトコンドリアは努力で増やしたり質を高めたりすることができます。卵子の質は、取り戻すことができるのです。

ここで注意したいのが、本来ミトコンドリアも加齢や生活習慣の影響で減ったり質が悪くなったりするものだということ。ある程度努力しなければミトコンドリアを増やして質を高めることはできないのです。

ミトコンドリアを増やすには、体にきついと感じさせたり、寒いと感じさせたり、エネルギーが不足していると感じさせたりと、とにかく危機感を覚えさせること。

そうするとミトコンドリアはどんどんエネルギー(ATP)を作るために増殖し、自身の質も高めていってくれます。その時にはケイ素やシリカ、ミネラルといった栄養素も大切です。

具体的には、意識的に空腹期間を作る16時間ファスティング、ウォーキングプランクといった体幹を使う有酸素運動やスロースクワット、寒さ冷たさをしっかり感じる温冷交代浴などの習慣を取り入れることが効果的。

またミトコンドリアは肌のターンオーバーなど細胞の生まれ変わりにも影響しているため、若々しく美しくいられるといった嬉しい効果も見込めます。

まずは84日間頑張ってミトコンドリアを増やすこと、そしてこの生活習慣を継続してライフスタイルに定着させることが大切です。

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参考:

公益社団法人 日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/lecture/3-妊娠まで%E3%80%80卵胞発育、卵の成熟、排卵、受精、着/

さくらウィメンズクリニック
https://sakura-urayasu.jp/column/301/

はらメディカルクリニック
https://www.haramedical.or.jp/column/staff/000808.html