増えたミトコンドリアはどれぐらいで減るの?

ミトコンドリアとは、体内の細胞質に存在する細胞小器官で、細胞の活動に必要なエネルギーを作り出しています。

特に卵子にはとても多くのミトコンドリアが存在し、卵子の分割、着床など、妊娠に欠かせないエネルギーをミトコンドリアの活動によって得ています。

肉体的にも精神的にもストレスがかかる妊活期。
体の状態を整えて、細胞を活発にすることがなによりも大切です。ミネラルのバランスが取れた食事や運動で体を整えると、ミトコンドリアの活動が安定します。

さらに、空腹になる時間を設けたり、強度の高い運動をしたりなど、負荷を与えることで体が危機を感じると、ミトコンドリアの活動はより活発になります。

適度な負荷による刺激は、ミトコンドリアの活性化を促します。しかし、エネルギッシュな活動が持続するわけではないことに注意が必要です。

加齢による老化が進むと、細胞が活性酸素の影響を受けやすくなり、ミトコンドリアの質が低下します。ミトコンドリアの中に存在する活性酸素を消去する酵素の量を測定し、年齢とミトコンドリアの質との関係を調査した研究では、酵素の量は加齢とともに減少することがわかっています。

酵素の減少は、ミトコンドリアの老化を促進し、細胞の老化が進行する原因となります。

また、加齢による筋力の低下は、ミトコンドリアの減少を加速させる原因です。筋肉を構成する筋線維は、年齢を重ねるにつれて張力が低下します。極細の筋線維一本ずつの張力は、20代と70代を比較すると、遅筋線維の張力は20代の約60％、速筋線維の張力は20代の約70％まで落ち込みます。

加齢が引き起こす生物的な変化から逃れることはできません。しかし、運動を継続することで、ミトコンドリアの減少に備えることは可能です。

ミトコンドリアの体積を維持するには、強度の高い有酸素運動を継続することが大切です。負荷の高い運動によって細胞内のエネルギーが不足すると、AMPキナーゼ（AMPK）という蛋白質が働き、ミトコンドリアの体積が増加します。

また、筋繊維の質を決めるのは張力だけではありません。ハリは加齢によって低下しますが、運動をコツコツと続ければ、筋繊維自体が太くなります。早歩きのウォーキングやランニング、水泳などの有酸素運動を毎日の生活に取り入れて、続けることが重要です。

しかし運動習慣がなくなると、筋肉は1ヶ月で衰えます。負荷の高い運動に継続して取り組んで、加齢によるミトコンドリアの減少に備えましょう。